絹様光沢のある灰褐色の傘に白いイボが映えて美しいのがテングタケです。眺めている分には良いのですが、これも毒菌です。一昨年の秋に、半僧坊下バス停のすぐ後ろ、グリーンベルトの植え込みに10本ほどが行儀よく並んで生えていました。
2010年10月4日 (グリーンベルト) |
2012年10月17日 (散在が池) |
2012年10月17日 (散在が池) |
一方、よく似ていますがガンタケは食菌(生食毒)です。絶対に自信のある同定でない
限り、口にするのは危険です。また、一部の図鑑では毒菌として扱われていますので、
眺めているだけの方が無難でしょう。
ガンタケ(食・生食毒) 2012年10月4日 (天園HC・覚園寺コース) |
食菌と毒菌が似ているものとしては、シイタケ(食)やヒラタケ(食)とツキヨタケ(毒)、ウラベニホテイシメジ(食)、ホンシメジ(食)やスミゾメシメジ(食)とクサウラベニタケ(毒)やイッポンシメジ(毒)、ツバアブラシメジ(食)やアブラシメジ(食)とカキシメジ(毒)、クリタケ(食)とニガクリタケ(毒)、等々と数多くありますが、日本のキノコ中毒の大部分はツキヨタケ、クサウラベニタケ(含むイッポンシメジ)とカキシメジの3種で発生しています。
ザラエノハラタケとナカグロモリノカサもよく似ているでしょう。
写真のザラエノハラタケの襞はピンク色ですが、もう少し老菌になるとナカグロモリノカサのように焦げ茶色になります(胞子によって)。
2012年10月4日 (テニスコート横) ナカグロモリノカサ(毒) |
2012年10月15日 (天園HC-百八やぐら周辺) ザラエノハラタケ(食) 一部の図鑑は食注意、毒の分類 |
クリタケは美味しい食菌で好んで食べられていますが、対峙するキノコにニガクリタケがあります。両者を並べて置いてみると違いはよく分かるのですが、里山などで片方のキノコだけに対面した際にはその判別に苦慮することが多いです。ニガクリタケはその名の通り苦味があります。クリタケと思って収穫しても、その場で齧り、少しでも苦味があれば捨て去るのが賢明です。
昨秋はこのニガクリタケが新聞やテレビのマスコミを賑わしました。誤ってスーパーの店頭に並べられ、暫くして店員がいつものキノコ(クリタケ)と少し違うと気付きました。店頭から引き上げて保健所で鑑定してもらった結果、ニガクリタケと判明しました。引き上げるまでの間に既に2-3パックが販売済みで、大騒ぎしたというのが事の顛末です。
2012年10月17日 (テニスコート横) |
2010年11月13日 (テニスコート横) |
ニガクリタケ(猛毒) |
2010年10月30日 (能郷白山) |
クリタケ(食) |
毒菌が続きましたのでお腹も空いたことでしょう。美味しいキノコを求めて散策と参りましょう。
晩夏から初秋の頃、立枯木や倒木、立木の腐朽部が白いもので覆われていませんか。うまく見つかりラッキーが重なるとウスヒラタケとのご対面となります。
2010年9月29日 (六国見山) |
2010年9月29日 (六国見山) |
2012年10月2日 (7丁目→テニスコート) |
ウスヒラタケ(食)
そして、秋の深まりとともに、ウスヒラタケからヒラタケへとバトンが受け継がれます。ウスヒラタケが発生した同じ材にヒラタケが発生することが多々ありますので、時々チェックするのが良いでしょう。また、両者は4月〜6月にも発生しますので、来年の楽しみにしましょう。
2012年10月4日 (6丁目道路端) |
2012年10月18日 (天園HC-名月院方面) |
2010年10月29日 (六国見山) |
ヒラタケ(食)
ヒラタケとウスヒラタケを比較すると、後者がやや小型で肉が薄い程度の違いで非常に類似しています。昔は同一種とされ、混同も多かったようです。でも、キノコ ウオッチング&ハンティングと宣言していますので、肩の力を抜いて気楽に判別を試みましょう。間違ったとしても、両者とも食菌ですのでさほど問題はないでしょう。
両者とも、味にクセがなく、香りと歯切れがよいので、醤油のつけ焼きや油炒め、煮物、天ぷら、汁物など、どんな料理にもよく合います。
今泉台周辺には赤松の林がありませんので、残念ながらマツタケは発生しません。しかし、香りはありませんが風味と歯切れの良さがマツタケにそっくりの美味しいキノコが発生します。その名はヤナギマツタケで天園HCや六国見山で出会うことができます。一昨年の秋に出会ってから、昨年の初夏と秋、今年の初夏と秋の5回も、同じ立枯木にお世話になりました。コリコリしていて、すき焼き、豆腐汁、どびん蒸などに最適です。
2012年7月7日 |
2010年10月12日 |
2010年10月12日 |
2011年5月31日 |
2011年5月31日 |
ヤナギマツタケ(食) (六国見山)
キノコには材(枯木)に生えるものと、地面に生えるものがありますが、地上生のキノコの中には、菌輪を形成して大群生するものがあります。キノコが1列に並んで生えているのは菌輪の一部です。キノコを1本見つけると、その周囲を探すとよく見つかるのはこのためです。マツタケの菌輪は1年で15cmほど広がると言われています。
2012年10月11日 |
2012年10月11日 |
2011年10月8日 |
2012年10月11日 |
2011年10月8日 |
シロケシメジモドキ(食) (六国見山)
そのほかに、秋の美味しいキノコとしては、ナラタケ(散在が池、天園HC)、ワタゲナラタケ(6丁目公園、六国見山)、クリフウセンタケ(天園HC)、モリノフジイロタケ(天園HC)などがあげられるでしょう。また、晩秋から初冬にはムラサキシメジ(散在が池、天園HC)も楽しめるでしょう。
今泉台には、食べられるキノコもたくさんありますが、きれいなキノコもあります。落ち葉の積もった足元に目を向けると、真紅のかわいいベニチャワンタケが見ることができます。細かい落枝にけなげについています。
その他のキノコとしては、ノウタケ、スッポンタケなど、こんなキノコもあるの?と思うものもありますが、またの機会にご紹介しましょう。
おわりに
自然に囲まれ、自然に満ち溢れた今泉台です。それゆえに、自然の恵みも豊富にあります。この自然の恵み、自然からの贈り物を楽しまない手はないでしょう。家から一歩出ると自然の恵みが皆さんを迎えてくれます。大いに楽しみましょう。
キノコにご興味のあるかた、なんだかキノコって面白そうだな・・・と思われる方がおられましたら、キノコウォッチング・ハンティングにご一緒しますよ。
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